地に足つけているつもりで

ライブと旅行と偶像崇拝

3度目の初乗車|今でも超特急は私の光

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先日行われたお試し超特急、隣にいた方がみなと商事コインランドリー→君には届かない出の初乗車でした。

めちゃくちゃ緊張しちゃって…と言うその表情に、自分のこれまでの8号車人生をいろいろと思い出しました。

思い出して…あまりにもいろいろありすぎたな…と。この機会に私の半生の手記も兼ねて初乗車の思い出を記録します。※あらゆる方面のセンシティブな話が出てきます。まずいと思ったら即消してください。

 

 

 

 

1.初乗車

初乗車は2017年8月26日、味の素スタジアムでのa-nation。と言っても、この日初めて超特急を知ったわけではない。

その頃同じような年数を活動していたボーイズグループを応援していたこともあり、TwitterYouTubeの関連、めちゃイケ運動会*1、メンバーのSNSに登場する超特急メンバー等で認知していた。

当時、YouTubeでたまたま流れてきた超えアバのパフォーマンスを見て「うわ!こういうのは共感性羞恥で無理」とか思っていたのに、今では心マダンス*2をしながら推しの名前を絶叫しているのだから人生って分からない。

a-nationではまさかのアリーナ2列目の席だったこともあり、各出演者のパフォーマンスを頭から浴びていたのだが、そのなかでも超特急が特に刺さった。実を言えば当時の推しグループよりも。

Love againで大人な曲もやるんだと意外性に驚き、Burn!で楽しく踊っていたら、バッタマンでファンを含めたこのグループの異常性に気付かされた。今では当たり前の情緒ジェットコースターセトリがこのときは非常に新鮮だった。

 

当時綴った感想ブログを見る限り、初手の推しはユーキさんだった様子。ただ、この後さまざまなMVやライブ映像にバラエティを見て、1号車コーイチに急速に惹かれていった。

アイドルらしからぬふてぶてしさを感じるビジュアルと振る舞い。メンバーいじりでわーっと騒ぎ立てたかと思いきや、電源が落ちたように他人事顔で虚空を見つめる掴めないキャラ。わがまま放題好き放題なのに、グループを引っ張っていくんだという年長者の気概。なによりあの伸びやかで表現力の高い歌声。どこか切なさもあり、アイドルの枠を超越したような大人の男を感じさせるあの歌声にどっぷりハマった。

その後の年末アリーナツアー*3に乗車することはしなかったけど、SNSに上がる情報は逐一チェックしていたし、乗車の予定はなかったのに赤と黒のペンライトを購入した。いつかの単独ライブに向けてコールとダンスの自主練に明け暮れた。

 

 

 

 

2.推しがいなくなる

当時の私はこれまでの経過を直接的に知らなかったこともあり、高みを目指すグループにこの出来事が及ぼす影響の大きさを認識していなかった。ただただ、彼が姿を消したことが悲しかった。

大げさでもなんでもなく、その後の進路を全く明かさない霧のようなフェードアウト。社会人になりたいってそういうことだったの?*4SNSに飛び交う噂や説に心を乱され、それでもね僕には君が必要なんだよと歌う切なくも明るい曲を聞くことが怖かった。前を向いて活動を続ける残ったメンバーを心配しながらも、一切の存在を感じられない推しへの思いはダメージになった。

 

超特急とは別にライブに行くアーティストが3.4組おり、日程が出たらとりあえずチケットを抑えるオタク生活を送っていたため、そんな状況でもせっせとライブ会場に足を運んだ。

だが、いかんせん楽しくない。何を見ても何を聞いてもライブで感じる「あぁ楽しかった」「幸せ」という気持ちがわからない。あの言葉にできない高揚感が自分から抜け落ちた。チケットがあるからとりあえず会場に行き、音楽に身を任せ、楽しそうな周囲を横目に何をしにここまで来たのだろうと虚しく帰る日々。

あの時の感覚は今では全く思い出せない。

 

 

 

 

 

 

3.2度目の初乗車

そんななか、超特急に出会って2度目の夏が来た。

2018年8月4日ハウステンボスでのa-nation。楽しさを忘れたまま、オタクでいることをやめられずに決めた現場に推しのいない超特急が出た。ペンライトなんて持って行けるわけがない。でもどんなステージをするのか気になっていた。あのジェットコースターセトリは今も残っているのかな。人が減っても馬鹿なことやるのかな。

 

その時初めて見たSAY NOで大笑いし、Summer Loveの何度も練習したサビのダンスを笑顔で踊るメンバーに泣かされた。BoosterとJesusを見よう見まねで踊り、年末何度も練習したBREAK OFFを踊りながら泣いた。泣いて、笑った。楽しかった。すごく楽しかった。

そのときには推しは表舞台に姿を現し、演奏家さんを引き連れて動員100人にも満たない小さなライブ会場で楽しそうに歌っていた。でもあまりの高倍率で全くチケットを取れず、"楽しい"を忘れたままでの乗車だった。超特急が私に楽しさを教えてくれた。光をくれた気持ちだった。平坦な感情から救ってくれた。

6人は初めて見た1年前と何も変わらず、全力で声を上げ踊り狂っていた。今でこそあの頃の辛さをさりげなく口にすることはあるものの、そのときの彼らは不安や苦しみを何も感じさせず、最高のエンターテインメントを届けてくれた。健気な姿が頼もしくて嬉しくて、光だった。あなたも一緒に心の底から楽しんでいいんだよ、と許してもらったのだと今になって思う。

私に感情を思い出させてくれた2度目の初乗車。

 

 

 

 

 

 

4.闘病生活

その後はすっかり昔のようにばんばんライブに行った。特に2019年はEUPHORIAにRevolucion vivaととにかく楽しい1年だった。ペンライトは赤から赤紫、そして赤紫黄と増えていた。

初手で推していたユーキさん。彼の熱い熱い思いが超特急を追う楽しさに拍車をかけた。EUPHORIAのBCが見れた日*5には推しの死に様*6に狂喜乱舞する、間違いなく異常で楽しい時間を過ごした。ステージ演出に魂をこめて、パフォーマンスに命を削り、超特急で生きることの意味をすごく大切にしてくれている。この人がいるなら超特急は間違わないとさえ思えた。

 

 

2020年、ユースケくんが療養のためにグループを抜けた。またもやペンライトを持つメンバーだったが、今回は理由がわかっていたしその理由が私にとってとても身近だったから心からの幸せを願って送り出せた。

学生時代、精神医学の研究をしていた。昔から心の病についてちゃんと知りたい思いがあり、どんな症状が出て、何をするのが良くて何がダメなのか、最悪の事態はどんな状態の人に起こりやすいのか等勉強した。論文を書いて学会に提出もした。

前述の、楽しいがわからない状態が軽い抑うつであったこともそのとき初めて知った。超特急に助けてもらったことをあらためて有難く思った。

 

そんな自分がまさしく勉強した病気のひとつになってしまった。ユースケくんの脱退から間もないときだった。初期症状にすぐ手を打ってなんとか悪化しないように努めたが、結局寝食がままならず仕事ができなくなった。食べることが大好きで生きがいで、朝昼晩どの食事でも手を抜いてこなかったのに、食事ができなくなった自分に傷ついた。アイデンティティの喪失。

休職を挟んで復帰、数ヶ月は全く問題なく働いていたが、きっかけもなく突然再発した。やがて体そのものが虚弱になり、月1ペースで何らかの病気になるようになった。仕事を辞めて、とりあえずまともに生活できる状態を目指してフリーターになった。

生活がままならないのだから、楽しさを感じる行動を取れるはずがない。これまで好きだったことは全て忘れた。(オタクは皆そうかもしれないが、)一般の人よりも"好き"と"楽しい"への飽くなき探究心を持った自分がいなくなり、これまた人格を喪失したような感覚だった。

少し良くなったと思ったら、新たな病気を合併する。治ったと思ったら、別の不調が見つかる。

そんな日々を繰り返し、1ヶ月、2ヶ月と継続的に健康な状態を保てるようになった頃。

 

超特急のライブに行ってみたい。

SNSで年末ライブの先行について知り、そんな思いが芽生えた。好きだったものに対する久しぶりの意欲的な願望。無意味に自動更新を続けていた夢8のサイトにしばらくぶりに入った。

 

 

 

 

 

 

5.3度目の初乗車

ライブ目的で1人で県外に行くワクワク、開演までの暇をどうにか潰すために無駄にSNSをチェックして痛くなる目(ほぼ眼精疲労)、開演待ちでゆらゆら光るペンライト。全てが久しぶりだった。

 

2021年12月26日、何度も単独公演が行われ見届けてきた大阪城ホール。たくさんのキッズバックダンサーを従えてDance Dance Dancing!を踊る5人をボーッと眺め、Magnifiqueで広がる多幸感にじわじわと涙が溢れた。私、生きてる…としみじみ思った。(ちなみにMagnifiqueは"天国にいちばん近い島"ニューカレドニアをモチーフにした曲。南国で贅沢な時間を過ごす人はみんなこんな気持ちになるのかもしれない。)

 

声出し解禁前のライブは正直物足りなさはあったが、それ以上に「ライブに行きたい」好奇心・意欲と「楽しかった!!!!」の高揚感を取り戻せたことがただただ嬉しかった。体も心も元気になって、ようやくこれからの自分に期待できる気がした。

生きる実感を取り戻せた3度目の初乗車。

 

 

時々SNSで「超特急は寄り添ってくれるグループ」、「超特急は人生を楽しくしてくれる」という書き込みを目にする。

間違いなくその通りだと思う。心が死んでいた私に楽しさを思い出させてくれた。あんな光の象徴みたいなグループ、そうそう見つからない。

しかも彼らはさまざまな痛みを経験したうえで私たちに光を分け与えてくれている。キラキラした姿で楽しませてくれるのがアイドルならば、人の痛みに寄り添い包み込んでくれる彼らをなんと表現すればよいのだろうか。

 

楽しさやときめきだけでなく、一期一会の奇跡や前向きに生きる理由を教えてくれた超特急。散々お世話になっているぶん、こちらが彼らを支え夢の後押しをしたい。9人になってパワーアップした彼ら。最高の演出家・ユーキさんが描くビジョンに向かって、これからも応援しつづけたい。

 

 

 

 

 

2023.12.13追記

10日にぴあアリーナMMで行われた年末アリーナツアーに乗車した。

とんでもないライブだった。

ユーキさんはいつも過去を大事に扱い、そのときの想いを何よりも大切にしたライブ演出をしてくれるが、今回は超特急の過去を目一杯詰めこんだ印象を受けた。いつか9人でこれまでの歴史を表現するんだろうなと思っていたが、こんなに早くやってくれるとは想像しなかった。

実を言えば、ここ数年は昔の音源を聴くことができなかった。元1号車の歌声が好きすぎたあまり、聴くと思い出して辛くなる気がしたから。反対に、見事に調和した奇跡のユニゾンが聴けないボーカル1人のリテイクバージョンに、これは超特急ではない!と聴かなくなった曲もある。やでよし*7のユニゾンが本当に好きだった。

そんな頭の固いファンにシューヤの歌声が刺さった。好きな歌手にこだわりがあるため、彼が加入したときは一瞬不安になったけど杞憂だった。特にTIMEでのソロ歌唱、元1号車推しとして思い出深い曲を緊張の面持ちでありながらも見事に歌いあげてくれた。過去のツアーで大切に歌われてきたStarlightの頭サビを聴いた瞬間、天を仰ぎ嗚咽した。こんなに泣くとは思ってなかった。帰宅中、数年ぶりに7人時代の音源を聴いてみたら、負の感情は全くなくただただ懐かしかった。またひとつ乗り越えられた。シューヤのおかげで。

 

 

シューヤだけでなくダンサー3人にもオーディション受けてくれてありがとう!!!とハグしたいし、よくぞあの4人に決めてくれた!!!とオリジナルメンバーとハイタッチしたい(やめな)。オタクは大体同じだと思っているが、何かにハマったときの知識が増えていくワクワク感が大好き。新メンバーのおかげで2度目の新規ハイを味わえて、超特急大切の気持ちがさらに高まった。

6人時代からユーキさんをずっと推してきたけど、ここにきてマサヒロという人が推しピラミッドの最上位に躍り出た。ユーキさんは(仕事に"ガチ"なときと普段との差が激しくて)なかなか分からない人だと思っていたが、マサヒロくんは本当に分からない。分からなくてキラリに入ってみたものの、未だによく分からないところがある。グループでは無口なのに、配信で延々としゃべり続けるし当然のような顔で大ボケかましてくるし芦田愛菜が出てくる。周りに気を許してそうに見えて、自分の懐に踏み込ませないように距離をナチュラルに保っていそう。そういうところが素敵。あと食事を大切にしている。シンパシー感じる。

何よりマサヒロくんのパフォーマンス。ダンプラで推しそうな気配はあったが、生で見たときに射抜かれた。ずっと持っていたペンライトの色が変わるなんて。これからは茶と赤の二刀流でいかせていただきます。The漢!なゴリゴリダンスもしなやかで中性的な体の使い方も魅力的なマサヒロくん、魂を体で表現するユーキさんとパフォーマンスの双璧をなしてほしい。そして"マサヒロという人"をずっと分からせないままでいてほしい。(ちなみに、おかげさまですっかり心身健やかになり、毎日おいしいごはんを食べて✨でマサヒロにごはん報告ができております)

 

 

 

 

 

2023.12.26追記

初乗車ブログという素敵な文化のおかげで、仲間のみずみずしく心があたたまる言葉をたくさん読ませてもらっている。一方私の初乗車ブログはジメッとした分厚い雲がかかったような、あまり気持ちの良いものではないので…。ワンマンライブに初乗車したときのことを。

 

2018年12月27日、大阪城ホールでの6人体制初の年末ツアー*8。好きになってもう1年半近く経っていた。まだこのとき夢8に入っていなかったのは、最推しが抜けたグループをずっと応援できるのか確証がなかったからだと思う。

在宅を極めに極め、過去の円盤を何度も見ながらコールと振りコピに明け暮れたため、何度も乗車してますけど?の振る舞いで堂々と楽しんだ。当時は好きだったTime Waveがほとんど映像演出でエ?とは思ったけど、そのあとに各メンバーの初センター曲と、need youというグループの変化による喪失感を婉曲的に表現した最新アルバムのリード曲の披露のためにあえてタイムスリップ感を強調したのかと思い直した。(そして時を経てTIMEでもタイムスリップの演出として、しかし今回はセンターステージのフルパフォーマンスで、今では愛するTime Waveを見ることができた。嗚呼ユーキ大先生。)

ダブルアンコールまで味わってよし帰るかと思ったら、スクリーンに流れる映像。

反射的にコールをはじめる8号車。メンバーはもうステージにいないのに、スクリーンにくぎづけで声を上げた。あのときの紅白出たいよMステ出たいよの声はひときわ大きかったなぁ。映像が終わり自然発生した拍手がとてもあたたかかった。私は足早に会場を出て気づいたら夢8の新規入会手続きをしていた。素で「えっ私今夢8に入ろうとしてんやん!えー!」ってつぶやいた記憶がある。考えるより先に体が動くなんて性格上めったにないから超特急すご〜って感心した。

TIMEの最終日のダブルアンコール、単独初乗車の年にできたParty Makerがパワーアップして帰ってきた。当時は1人になったタカシが様々な感情を爆発せざるを得なくなったどこか切ない曲、の印象だったけど9人のは圧倒的パワーを感じる曲になった!真っ暗闇のなか、頭にTシャツ引っかけたメンバーが静かに板つきした姿にパリメじゃね?!!って騒ぐ8号車おもろ楽しかったな〜。大騒ぎしたあとの脱力感と高揚感がGOLDEN EPOCHの"です!!!!!!!!映像"と同じで超特急だいすきだな〜〜〜と思った夜でした。

そして250年後…←今でもわからない

 

初期リーダーとして、今は演出家として超特急を築いているユーキさん。カイくんが「タカシがいなくなったら超特急は終わる」と言っていたように超特急を守り続けたタカシくん。そんな彼が「リョウガの前でなら泣いたことがある」と言うほど、リーダーとして超特急を支えているリョウガさん。その場にいないファンの存在を大切にする「気持ちを飛ばしてくれたみなさん」を言い始め、ファンの声が聞けなくなったコロナ禍の苦しみを語り、新メンバーが入ることに最後まで中立の立場を貫いた超特急と8号車を繋ぐカイくん。1人で多くの作品に出演し、世界に超特急を広げてくれるタクヤくん。

タカシ大切の気持ちを初めから掲げて、今やすっかり唯一無二の相棒になったシューヤ。バックダンサーという唯一の裏方出身で、超特急だけでなく関わる外部の人とのつながりも大切にするマサヒロ。超特急に憧れを抱き、メンバーをリスペクトし、正面から真摯に向き合ってくれるアロハ。パフォーマンスにおいてもメンバーの関係性においても新しい風を吹かして刺激をたくさんくれるハル。

これからの未来に幸あれ。

 

 

 

 

 

*1:2017年2月16日放送 「めちゃ×2イケてるッ!次世代のイケメンだらけの大運動会」のこと。超特急をはじめ、Da-iCE、BOYS AND MEN、XOXが出演した。最高の番組だった。今思えばユーキさんガチかっこよかった。

*2:心マ=心臓マッサージのこと。つい最近非オタの方がそう表現していたポストを拝見し、最高の表現と思いました。

*3:the end for beginning

*4:JUNON2018年1月号の企画にてメンバー全員が抱負を書き初めで発表した際、コーイチくんはそのように書いていた。

*5:2019年春夏ツアーのEUPHORIAは1曲目からラストまで全く異なる複数のセットリストを軸にして全国をまわっていた。特にライブ中盤では3曲をペアもしくはソロでパフォーマンスする夢のアレンジコーナーがあった。

*6:ユーキさんが自身のセンター曲Beautiful Chaserをソロでパフォーマンス。曲の最後の狂乱の末の惨劇(オブラートに包みました)が日替わりだったため、当時公演が終わるたびに"今日のユーキさんの死に様"が話題になった。

*7:元1号車コーイチと7号車タカシのペア名。コーイチの名字「吉野」とタカシ「やで」が由来。

*8:GOLDEN EPOCH。初のさいたまスーパーアリーナ公演を行ったツアーでもある。